英語留学のメリット・デメリット

語学留学(英語留学)は、英語学習の方法のひとつとして、非常に人気の高いプログラムといえます。

英語留学には、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月(半年)など1ヶ月単位の短期留学と、1年、2年など年単位の長期留学に分かれます。これに加えて最近では、後述通り「プチ留学」などが登場しています。どの場合も、現地の語学学校、大学、短大などの教育機関のプログラムに参加する形態が一般的です。

英語留学は、大学生、短大生、高校生の方なら、通っている学校が提携している海外の教育機関の短期留学プログラムを受けることができますし、社会人の方でも、従来よりはずっと受講期間や費用の面で多様なサービスから選ぶことができる状況にあるといえます。

ここでは、こうした英語留学のメリット・デメリットを取り上げ、他の英語学習方法との比較について詳しく説明します。

英語留学のメリット

英語留学の最大のメリットは、いわゆる「えいご漬け」の環境になることです。半ば強制的に英語を話さざるを得ない状況に自分を置くことで、英語力を鍛えることが可能となります。

英語留学の学習時間

例えば、フィリピンの語学学校で1週間の語学プログラムを受ける場合、最長で10~12時間の集中プログラムを実施している場合も多く見られます。実質5日間としても、トータルで50~60時間の学習時間を確保することができます。

これに対し、日本国内で一般的な英会話スクールを50~60時間受けようと思ったら、1回のレッスンが1時間で週3回通うとしても、4~5ヶ月はかかる計算になります。語学留学は英語を話す絶対量を大幅に確保できる大きなメリットがあるといえます。

英語表現が飛躍的に広がる

英語留学の場合、特に長く受ければ受けるほど、生活環境、自然、気候、治安、物価など、英語を話す国々の環境を実感できるというメリットを享受することができます。日常生活のなかに溶け込んだなかで英語を習得することができるのは、英語留学ならではのメリットといえます。

受講生の間でも、さまざまな国からやって来る生徒を受け入れているプログラムであれば、互いの国の文化や習慣、流行と言った事柄を英語で話し、英語で聞き取って理解する機会が少なくありません。

プチ留学も魅力的

最近では、3泊5日、1週間などのプチ留学・超短期留学や、オーストラリアやカナダでワーキングホリデーに入る前に3ヶ月程度フィリピンで英語力を鍛えるリンク留学なども増えており、多種多様なメニューが増えてきています。

特にプチ留学は、本格的な語学留学を受ける時間や費用が取れないという方でも、多彩な英語学習サービスを選ぶことが可能です。プチ留学は滞在先のホームステイと語学学校の学習に加え、なんらかのアクティビティを組み入れたサービスが多く見られます。

プチ留学には、短期集中的な英語学習重視のサービスはもちろん、ロサンゼルスのような都市観光やハワイのような自然体験といった観光サービスを重点に置いたサービスも人気があります。

このほか、ダイビング、音楽、ダンスなど、語学学校での英語学習に加えてさまざまなアクティヴィティを付加したプチ留学も提供されています。往復の航空券、滞在費、語学学校の受講料(入学金・授業料)、サポートなどをパッケージした料金プランが多く見られます。

英語留学のデメリット

こうした英語留学にもデメリットはあります。高額な費用、地域選び・学校選びの難しさや相性、事前の準備・英語スキル、治安などが挙げられます。

費用が高額

英語留学の最大のデメリットは費用が高額であることです。航空費、滞在費、語学学校の受講料をパッケージにしたプログラムが主流ですが、1ヶ月あたりの費用は、最も一般的なボリュームゾーンの場合、英米圏なら40~50万円という相場になります。

これはアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど、ネイティブな英語圏であれば、ほとんど大きな差は無いといえます。

その一方、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インド、フィジーなど、アジアや南太平洋の島国では、航空費はLCC(格安航空会社)が就航しており、授業料も欧米の半額程度というところが多く見られます。

それでも、1ヶ月あたり30~40万円というところが、アジア圏や南太平洋の英語留学のボリュームゾーンだといえます。あまり安いところを選ぶのも考えものですし、それなりのプログラムを受けようと思ったら、この程度の出費は覚悟すべきでしょう。

語学留学に比べ、日本国内でオンライン英会話から上質なサービスを選んでも、年間10万円用意して何万円もお釣りが来るサービスが数多くあります。通学制の英会話スクールでも、語学留学1ヶ月分の出費で年間の受講料が賄えるところがほとんどです。

本物の英語にこだわるなら英米圏への語学留学でしょうが、ネイティブ講師とのレッスンならオンライン英会話でも通学制の英会話スクールでも受けられます。また、現地に行くだけで英語が上達するということはなく、どの方法にせよ最後は本人の意欲と努力です。

地域選びの難しさ

英語留学のなかでも特にフィリピンは受け入れに熱心ですし、マンツーマンを数多く採用しています。受け入れ体制も整備されていますが、希望する語学学校が政府認定校かどうかは確かめておきましょう。

ただ、リゾート気分でフィリピンを選ぶのは避けるべきでしょう。首都マニラやセブ島は市街地が進んでおり、フィリピンの語学学校を早期から手がけた韓国資本のプログラムは軍隊式のスパルタ的な指導スタイルを採用したところも多く見られます。

マレーシアは語学のみの留学はフィリピンほど熱心に受け入れているとはいえず、インドは受け入れ体制がまだ発展途上で留学生活が円滑に過ごせるかは微妙なところでもあります。

シンガポールはアジアビジネスの先進地として、ビジネス英語を学ぶのに最適ですが、費用が欧米並みに高騰しています。フィジーは留学受け入れに伴うインフラの整備が進まず、語学留学のプログラムに日本人がやたらと多い地域でもあります。

その一方、いわゆる英米圏のアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは、カナダなど比較的治安が安定していますし、ビジネスやカルチャーなど多彩なアクティビティを盛り込んだ語学プログラムが挙げられます。

とはいえ、こうした先進国は、やはり高額な費用が最大のネックかと思います。大きな投資に見合った学習効果がどれだけ得られるか分からないという点は、語学留学の最も難しいところだといえます。

学校選びの難しさ

英語留学では、語学学校を見極めることも、重要なポイントとなります。マンツーマンはどうしても高額になりがちですし、数十人規模の小規模校から1000人単位のマンモス校まで、非常にさまざまな語学学校があります。

語学学校の受講スタイルや在籍学生の数は、自然とそのプログラムの学習形態にも影響を与えます。大規模校であるほど、効率性を重視した学習スタイルになりがちです。

英語留学の語学学校は、英語の4技能(聞く、話す、読む、書く)を総合的にレベルアップするカリキュラムが主流ですが、どこに力を入れているか、どんな選択の幅があるかといった点も重視すべきです。

これは単に、リスニング、スピーキング、ディスカッション、プレゼンテーション、発音矯正など科目別プログラムの充実度やレベル別の編成にとどまらず、その選択の幅と言った柔軟度も考慮すべきです。

さらに、語学学校のなかには、母国語禁止ルールを設ける学校もあります。校内では英語以外の言語で話すことを禁止したり、停学を含む厳しいペナルティを課す学校もあります。

このように、語学学校にはさまざまなポリシーや特色があり、ただ海外に行ってみたいというだけで安直に英語留学を選ぶことは、出費に比べて学習効果がほとんど得られないリスクがあるといえます。

留学前の英語スキル・準備

まったくの英語初心者がいきなり本格的な英語留学に行くというのは避けるべきだと思います。最低限日常生活に困らない程度のフレーズ・表現の習得や、自分や日本について聞かれたときに一通り答えられる英語スキルが望ましいといえます。

現在では、留学エージェントと呼ばれるマッチングサービスも一般化されています。留学エージェントでは英語留学前に、オリエンテーション、カウンセリング、無料の英語学習・レッスンなどを提供するサービスです。

留学エージェントは初めての語学留学やプチ留学はもちろん、長期の語学留学にも対応し、豊富なプログラムのなかからレベルに合ったものを紹介してもらえます。手厚いサポートで、留学の斡旋や手続き代行のほか、出発前に語学レッスンが受けられるところもあります。

留学エージェントの多くは、国土交通大臣に第1種旅行業(国土交通省から5年ごとに登録更新の審査を受ける)の登録を行い、日本旅行業協会に加盟して健全なサービスを提供しています。その一方、かつては非・第1種の業者による消費者トラブルも発生したことがあります。

また、留学エージェントでは、英語留学の仲介手数料や、さまざまな手続きの代行に関する追加の手数料がかかる場合があります。留学エージェントを利用する際は、こうした点も考慮すべきでしょう。

語学留学と他の英語学習の比較

語学留学の最大のメリットは、ほぼ強制的に英語を話さざるを得ない環境に自分を置くことです。短期集中的に英語学習を行うことで、適切な語学学校のプログラムであれば学習効果は高いものが得られます。

その反面、やはり時間と出費の問題があります。特に社会人や主婦の方は、プチ留学でも時間を確保して申し込むことが難しいかもしれません。出費に関しても、比較的安いアジアやフィジーでも、1ヶ月の出費でオンライン英会話や通学型英会話スクール1年分を超える出費となります。

英語を話す外国の方のレッスンを受けたり、ディスカッションやロールプレイング、ビジネス英会話に関しても、オンライン英会話など国内でリーズナブルに受講できる機会が多い現在では、あえて英語留学にこだわる必要性は低下しているといえます。

英語留学に関しては、全くの初心者には不向きですし、ある程度自分のことや日本のことを話したり、日常生活や買い物程度には不便しない英会話のスキルが必要だといえます。

また、留学エージェントのようなマッチングサービスを使っても、選んだ先で自分が思っていたようなプログラムとは限りません。タイトな日程であまり厳しいカリキュラムも考えものですが、受講生が日本人ばかりの観光気分で、易しい英会話しか話さないという場合もあります。

こうしたことから、英語習得のために英語留学を選ぶのは、海外に住むことや外資系企業に就職することなど、よほど明確な目的や動機がない限りは、必ずしも選ぶ必要は無いのではないかと思います。

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